今回は、衣替えのときのムシ対策の記事です。え!衣替えなんてまだまだ先のつもりです・・・。という方も多いかと思いますが、年々気温が高くなっている今日このごろ。今までと同じ感覚でいると、あっという間にムシが活発に動き出す季節になってしまいます。対策方法を知っておき、早めに準備しておけば安心ですね。
地域にはよりますが、今までは4月頃からムシが活動しやすかったので、4月までの対策をおすすめしていました。しかし、今年は暖冬で気温が高いため、もっと早く活動し始める可能性があります。
大切な衣類を次のシーズンも楽しむために、あらためてムシ対策について確認しておきましょう。
天然素材はムシにとってもおいしい素材
やはり、天然素材は狙われやすいです。一番虫が好きなのは、カシミヤやウール、シルクなどの動物性繊維。コットンやリネンの植物性繊維も食べられてしまいます。
特に、繊細で高価なものが多いシルクやカシミヤ、アンゴラの製品は、ここぞというときのために大切にクローゼットの奥にしまいこんでいるという方も多いはず。ところが細くてやわらかな高級繊維はムシにとっても食べやすく、しまいこんでいれば人の目にさらされることもなく快適においしいご飯を食べることができるパラダイスになってしまいます。しっかりと対策をしてから保管をするようにしましょう。
衣類を食べるムシは一年中活動します。なぜ春に対策が必要なの?
衣類害虫の代表格「ヒメカツオブシムシ」「ヒメマルカツオブシムシ」は、3月頃にサナギになり、大体4、5月に成虫になり産卵します。孵化した新しい世代は、6月頃から翌年2月頃までを幼虫として過ごします。この、幼虫として過ごす約9ヶ月の間に衣類を食べてしまうのです。
また、「イガ」「コイガ」はさらに活動的で、3月頃には成虫になり、繁殖と孵化までを終わらせます。そこから2ヶ月ほどを幼虫で過ごし、1年のうちにこのサイクルをさらに2度繰り返します。
ムシの大好物、ウール・カシミヤ・アンゴラなどが多く使われる冬物衣類をしまう頃は成虫が繁殖・産卵をする時期に重なっています。このタイミングでムシや卵がついてしまうと、クローゼットにしまいこんでいる間に孵化して食べられてしまうのです。なので、衣替えをする春にしっかりと対策しておくことが重要というわけですね。
※ムシのサナギは衣類の奥の日の当たらないところにいます。周囲の温度が15〜25度になるとサナギが孵化し、成虫になれば繁殖してしまいます。こちらの図は従来どおりのムシの活動時期を示すもので、早く気温が上がればその分早くムシたちも活動を開始すると考えられますのでご注意くださいね。
こんなことをしていませんか?要注意な保管方法はこちら
以前の記事でご紹介した内容ですが、あらためて。衣替え時の注意事項をご紹介します。
①「1回着ただけ」「見た目は汚れていない」という理由で洗わずに収納している
→汚れが落ちていないと、汗の成分で黄ばみになったり、皮脂の汚れやフケからダニが発生してしまいます。皮脂汚れはムシの好物でもあります。
②収納ケースやクローゼットを掃除していない
→ムシはホコリや汚れも大好物です。保管場所も綺麗に掃除しましょう。
③収納ケースに衣類をぎゅうぎゅうに詰め込んでしまっている
→型崩れ・シワの原因、防虫剤が行き渡らないことも。
④完全に乾燥していないまま収納/ビニールシートやビニール袋に包んだまま収納している
→湿気も一緒にしまうことになり、匂いやカビの原因に。また、防虫剤が行き渡らなくなってしまうことも。新品であっても袋の隙間からムシが入り込む可能性もあります。そうなると、袋の中はムシの安全なお家になってしまいます。必ず袋から出して保存するようにしてくださいね。
⑤防虫剤をケースの底に入れている
→防虫成分は、上から下に広がっていきますので、防虫剤は衣類の上に置きましょう!
手順を守ってムシ対策。仕上げは防虫剤で。
残念ながら、人間が過ごしやすい温度・湿度はムシにとっても快適な環境。自然と集まってきてしまうものなのです。また、たとえ家中の隙間をふさいでも外出中に服に虫がつくことは防げませんよね。
家に入り込んでしまったムシから天然素材を守るためには、やはり防虫剤が欠かせません。
①洗濯、クリーニングで衣類の汚れを落とし、完全に乾燥させる。
②衣類の袋や包装は取り除く。
③清潔で湿気のない収納を、スペースに余裕を持って用意する。
これらの準備を行った上で、適切な量の防虫剤を衣類の上に置いて使用しましょう。
防虫剤については、本当に様々なものが発売されています。化学合成物質製のものと天然成分製のものにわけられますが、それぞれ長所と短所がありますので状況に合わせて選んでみてください。(こちらの記事でもご紹介しています。)
注意点としては、ピレスロイド系以外の防虫剤は他のものと併用することができません。使用量なども適切でないと正しい効果が得られませんので、しっかりと注意書きに従って使用するようにしてください。
また、効果が穏やかになってしまうこともありますが、アロマオイルや重曹を使って防虫剤を手作りすることもできます。こちらやこちらの記事でご紹介していますので試してみてくださいね。
さいごに
天然素材を扱っていると、どうしてもムシ問題に頭を悩ませることになります。人間に心地よい素材はやはり、ムシにも嬉しい素材ということなのでしょう。
効果的な対策をうち、お気に入りのアイテムをよりながく使っていけると嬉しいですね。