シルク製品のお洗濯は手間がかかり、良くないのだろうなぁと思いながらもついつい洗濯機で洗ってしまうことがあると思います。
洗濯機で洗うのは楽ですが、摩擦により風合いが失われてしまうのがとても残念ですよね。
そこで、今年からお洗濯に少し手間をかけ、良い状態のまま長持ちさせてみませんか?
今回は、シルク製品の洗濯方法の基本と洗濯方法でどれくらい違いがあるのかを実際に比較していきたいと思います。
シルク製品のお洗濯の基本
【洗いの基本】
シルクは非常に摩擦に弱いため、基本的に『手洗い』をおすすめしています。
特に水を吸った状態でこすったりすると繊維が毛羽立ち、毛玉やほつれの原因になります。
できるだけお洗濯での痛みを少なくするために、洗い方の心得をお話したいと思います。
心得1:手洗いするときは、洗濯液の中で衣類の両端を優しくつまんで振るように洗い、汚れが目立つ場合は優しく押し洗いしましょう。
心得2:すすぎは2〜3回ぬるま湯(30℃以下)の中で振り洗いや押し洗いをしましょう。
心得3:やむを得ず洗濯機を使う場合は、”手洗い・ドライコース”でお願いします。シルクが他の衣類と擦れないように裏返して洗濯ネットに入れれば、通常コースに比べシルクへのダメージを抑えられます。
心得4:洗剤は、市販のシルク用のもの(中性洗剤)をご使用ください。シルクは人の肌や髪の毛と非常によく似た組成をしているので、無香料のシャンプーなどでも問題ありません。ただ、漂白剤・酵素系洗剤・柔軟剤などの使用は避けてください。漂白剤、酵素系洗剤はシルクを溶かし、柔軟剤はシルクの編みを乱してしまいます。
【脱水の基本】
水を吸ったシルクは非常に摩擦に弱くなっています。
シルクが一番痛まない脱水方法は、『タオルで挟み軽く押して水気を取る』ことです。
ですが、かなりの手間なので軽く手絞りし、水気がある程度残ったまま乾燥に進んでいただいても問題ありません。
脱水機を使う場合は、最短設定(15秒〜20秒ぐらい)をオススメします。
シルクは型くずれしやすいので、脱水後、優しく広げて形を整えましょう。
【乾燥の基本】
シルクは日光に弱く、紫外線を吸収し黄変する性質があります。
ですので、風通しの良い日陰で陰干しすることをおすすめします。
さらに、水気が多く残っているシルクは吊るして干すと自重で変形してしまいます。
洗濯するものにもよりますが、形を整えて平干しするとより良いでしょう。
水気を含んだシルクは非常に摩擦に弱いため、タンブラー乾燥機はお避けくださいね。
実際に、洗濯してみました
⑴ 手洗い:一般的に推奨されるシルクの洗濯方法
【用意するもの】
・中性洗剤(おしゃれ着洗い用、ドライマークの洗剤)
・洗い桶
・乾いたタオル
【洗濯方法】
① 25〜30℃の水と洗い桶を用意し、適量の中性洗剤を溶かして優しく押し洗いする。
② 25〜30℃のたっぷりの水で、①と同じ押し洗いで2〜3回すすぐ。
③ すすぎ終わったら軽く手で水気をとり、形を整えてタオルにはさみ、 端から丸めて脱水する。
④ 形を整え、型崩れ防止のため”陰平干し”する。
⑵ 洗濯機:推奨されてはいないが、多くの人が実用している洗濯方法
【 用意するもの 】
・中性洗剤(おしゃれ着洗い用、ドライマークの洗剤)
・洗濯用ネット
【 洗濯方法 】
① 洗濯用ネットを使用し、適量の中性洗剤で洗濯機の”手洗いモード” で洗いから脱水まで行う。
② 形を整え、”吊り陰干し”する。
それでは洗濯してみましょう!
《 洗濯 1回目 》
形は新品に比べるとどちらも丈が少しだけ縮みましたが、色・風合いともほぼ変化はありませんでした。ただ、洗濯機を使用したものは、吊り干しのためか形が少し崩れていました。
《 洗濯 10回目 》
手洗いで洗ったものはほとんど変化がなくきれいなままでしたが、洗濯機で洗ったものは形も崩れ縮んでいました。
手洗いしたものは、色・風合いともほぼ変化はありませんでした。
洗濯機を使用したものは、風合いはほぼ変化はありませんでしたが、色はくすんでいました。
《 洗濯 20回目 》
形は、それぞれ10回目とほぼ変化はありませんでした。
手洗いしたものは、色・風合いともほぼ変化はありませんでした。
洗濯機を使用したものは、少し固くなりごわごわした質感になりました。色も、くすんだ色に変化し毛羽立ちも少し出てきました。
結果
手洗いしたものは、新しいものとほとんど変化がなく良い状態で履くことができました。
マーガレット独特のとろみのある質感も、20回の洗濯後も変わらず残っていました。
洗濯機で洗ったものは、回数を重ねるごとに少しずつ固くなり、色もくすんでしまいました。
また、脱水機での脱水を繰り返すことで、毛羽立ちも出てきてしまいました。
毛羽立ちを少しでも抑えたい方は裏返してからネットに入れるのがいいかと思います。
サイズ感については、それぞれ伸び寸が変わらないので締め付けたり履きにくいということは全くありませんが、良い状態で長くお使いになりたい方はやはり手洗いをおすすめします。
さいごに
いかがでしたか?シルクの洗濯は手間がかかるので大変に感じるかもしれません。
ですが、手間をかけることで良い状態のままもっと長く使用することができます。
シルクの良さを最大限維持しつつ長く付き合うために、今回の洗濯の基本を参考にしていただけましたら嬉しいです。
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