みなさんは「ゴールデンシルク」をご存知ですか?
この糸は、名前のとおり黄金色をしています。とても鮮やかな色なので、白かった繭を染色をしてゴールドにしたのでは?と思ってしまいますよね。でも実際には染色は全く施されていないのです。
私たちが頭に浮かべる白い繭というのは、大昔に中国で品種改良をされた末に産み出された白い蚕による繭で、昔ながらの蚕から紡ぐゴールドの絹糸のままでは染色できないからという理由で1000年もの時間をかけて白い蚕にされたものです。
蚕は、蛾(ガ)の仲間で、絹の糸をとるために人工的に飼育された人工品種のため養蚕家たち抜きでは生きていけないものを、家蚕(かさん)と呼んでいます。
その一方で自然界には、絹のような繊維を吐いて繭を作る野生の蛾が何種類もいるのです。
このような蛾たちを、いわゆる普通の蚕=家蚕(かさん)に対して、一般に「野蚕(やさん)」と呼んでいます。
シルクふぁみりぃではタイで細々と育てられてきた家蚕、白い蚕に品種改良される前のゴールデンシルクを使用しています。
ゴールデンシルクの糸にどんな良さがあるのかを見ていきたいと思います。
セリシンが多く残された糸だから・・
少し前までは全く注目されていなかった”セリシン”。最近では、耳にしたことがある方も増えたのではないでしょうか。
セリシンとは、日本語で絹膠(きぬにかわ)もしくは”けんこう”と呼びます。”にかわ”は古来より使われてきた接着剤のことなので、絹の接着剤という意味です。
その名の通りセリシンは絹糸を接着し繭を形成しています。セリシンは乾くと固くなり肌触りを損ない、染色で染まらないため色むらができ邪魔者とされてきました。
しかし、最近の研究によりセリシンは接着するだけではなく人の体に非常に良いことが解ってきました。
その主なものとしては、保湿機能・抗酸化作用・紫外線吸収作用があります。
セリシンのアミノ酸組成が肌の天然保湿因子(NMF)とよく似ていて、 肌のバリア機能低下や、シミの原因となるチロシナーゼの働きを抑制する効果がありながら肌への刺激も少ないため、保湿・保護・美白に優れたスキンケア成分としてセリシンは有用物質としてさまざまな分野で活用しています。
さらには、細胞を守り活性化する力を応用し、最先端医療の現場での応用が期待されています。
こんな素晴らしい効能があるセリシンをずっと邪魔者扱いしてきたなんて、もったいない話ですよね。
シルクふぁみりぃのゴールデンシルクはこのセリシンを多く残している糸を使用しています。
そのため、ぽったりとした厚みのある生地に仕上がっていて、いつまでも触っていたいような感覚があります。
実際にシルクふぁみりぃの商品を作ってくれている縫製名人からも“このシルクはなぁ、触った瞬間に『あ、これちゃうなぁ』と思ったで!諏訪まゆのマスク縫うてる時みたいに手がスベスベになるねん。これは、触った人、誰でもわかるわ。”とのお言葉をいただきました。
さいごに
いかがでしたか?ゴールデンシルクがあんなに鮮やかな黄金色をしているのに無染色だったということだけでなく、セリシンが他の繭よりも多く付着しているからあんなにもしっとりスベスベした感触だったんだということも分かり、謎が一つ解けたような気がします。
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